My News Japan より

私大天下り役員受入れワースト1は共立女子大、助成金等6億6千万流れる

佐々木奎一

民主党が「天下りのあっせん根絶」を公約に掲げているが、その具体的な政策は未だ見えない。なかでも不明なのが、私学助成金が流れる私立大学・短大への天下りだ。教授など教員ポストに元官僚が多いことは別として、その影に隠れ、大学の経営にあたる理事会メンバー(企業でいう役員)に天下るケースが多いのだ。その実態を検証すると、2008年4月1日現在、計81の学校法人の役員ポストに123人の官僚ОBが天下っていた。ワーストワンは、天下り役員が6人もいる共立女子大。もはや私学ではないダメ大学である。(私大・短大天下り役員ワーストランキング全リストは末尾でエクセルダウンロード可)

【Digest】
◇私学の「建学の理念」とは相いれない天下り役員
◇「縦割り行政の弊害」で情報クローズ
◇ランキングデータ作成の概要
◇ワースト1は政官学のコングロマリット、共立女子大・短大
◇日本女子体育大「文科省にお問合せいただきたく…」
◇元金融庁長官、検察、衆院幹部が役員の駿河台大
昭和音大「無回答」、不祥事続出の獨協は「天下り監事」任せ
天下り問題の基本の「き」を理解していない獨協大
立命館日本女子大、日大、明治学院大等も
民主党マニフェストでは、私大天下りを解決できない
厚労省天下りのメッカ“名ばかり私立”日本社会事業大学
◇“エセ私立”産業医科大
総務省が支配する“ニセモノ私立”「自治医科大学

どうもこのような実態を大学教員の方たちはご存じないようです。

大学倒産時代!

さらにもう一点。大学が粗製濫造された背景要因の1つとして、文部科学省の「天下りの罪」が指摘されていました。ある大学は、学部新設に当たって、文部科学省の担当者から、「おたくの大学にはうちのOBはいますか?」と聞かれたといいます。文部科学省は、おいしい天下り先が極端に少ないのだそうです。結局、天下り先確保のために、新設大学・学部の増加に敢えて、目をつぶってきたのではないかという指摘です。

それでいて、文部科学省は、「学士力の向上」とか、「半年間で15回の講義を必ず実施するように」とか、「成績評価を厳しく」とか、あれやこれや「指導」をしてきます。何だかおかしな話しです。教育に文部科学省が口を出すとロクなことはありません。

その他、低偏差値大学では、学生の3割が中学生レベルの学力しかないというデータ(日本リメディアル教育学会の資料)や、英検2級を取得していれば、学費免除の大学があるとか、驚くべき情報があります(念のために書き添えれば、英検2級は、高卒レベルです)。

などなど、引用しきれない、ビックリ情報が満載されていました。「大学が受験生を選ぶ時代は終わって、受験生が大学を選ぶ時代に入った」ということが、しばらく前から言われていましたが、まさかこれほどの有様とは、大学に奉職しながら、不勉強を恥じ入りました。

我々としては、大学教員がこんな基礎情報にビックリしていることにビックリなのですが・・・