日曜日に NHK スペシャルを見た。

日本とアメリカ第1回 “アメリカ”買収〜グローバル化への苦闘〜 とかいう題名だったが、要するに某社の PR 番組だった。

番組自体は、テーマが原子力ビジネスという機密保持やリスクマネージメントの難しい事業分野なので当たり障りのないものに仕上がっていた。

番組中一番驚かされたのは、やはりマネージメント層や技術者の英語力だった。

編集済みの短い映像だったのでどこまで判断基準にしてよいか迷うけど、いずれにしても買収先企業との議論がまともな水準で遂行されているとはとても思えなかった。

問題はいつも同じ。

(1)世界最低レベルと言われている英語力(参照:TOEFL日本人受験者平均点世界203カ国中195位 2008年5月時点 http://www.ets.org
(2)価値観が違う相手へメッセージを伝えるための単純で論理的な思考能力の欠如(相手の質問に対して的確な答えを返せないので、はあ?という会話が展開されていた。)
(3)自身の能力に対する盲目的なプライド(主役の技術者がひたすら「我が社の技術力の高さを相手に認めてもらわなければ」という呪文を唱えていた。)

これは本当に根深い問題だ。

短期間留学したり駐在したりするだけでは、コミュニケーションの不調が自分のコミュニケーション能力不足に大きく起因していること、さらに能力さえあれば議論が対等に進行することに気付くことがないからだ。

この某社が描いている成長戦略の重要な局面では、英語ネイティブや帰国子女、いや少なくとも国際経験が豊かな社員が登場するのだろうか?

国際派が傍流にしかなれない日本企業だと、あまりその可能性もないような気がする。