非常勤講師という謎

大学の非常勤講師が受け取る給与は、恐ろしく低い。授業準備に費やす時間を考えれば、時給はどう考えてもコXビニでのバイト以下である。

それほどの低給与でも嬉々として非常勤講師をしたがる連中がいまだに減らないのは本当に不思議だ。「教歴が大事だから」と騙されてワーキングプアになる大学院生やオーバードクターはもちろん、新聞社や広告代理店の社員、コンサルタント等にも多い。ま、あわよくば専任になりたいと思っているだけだろうけど。

実務家は別に職があるからよいが、専業非常勤だと準備が楽で数をこなせる語学教員以外はまず生活できない。

それでもやり続ける人間は、

(1)親やパートナーから経済的援助を受けている
(2)親やパートナーの住居に同居している
(3)別に収入源がある(学振や塾講師の給料等)

のどれかだった。ま、いずれにせよ何やってんだかと思うけど>昔の自分(3)。

こんな最低な環境で非常勤を続ける理由の一つに、「人にモノを教える」ことを”不当なまでに”高く評価したがるメンタリティーが挙げられる。

もちろん「上から偉そうに教える」ことに人を気持ちよくさせる魔力があることは否定しない。自分の命令に何であれ従う学生と長年付き合っているうちに、身の程知らずの勘違いをしている教員なんてそれこそ山のように見てきた。

しかし、この不況時に結構な額の金を取ってんのに、いつまでも教員のオナニー見せてるわけにもいかないでしょ。

教壇に立っている間ずっと思っていたけど、大学の授業形態、とりわけ教員が一方的に教えを垂れる講義なんてもう今の時代役割を終えているよ。人文社会学教員の教える内容なんてほとんど誰にも必要とされていないのに、単位授与と引き換えに無理やり押し付けているだけじゃないか。って、昔自分もやっていたんだけどさ。

そもそも、教えたがりってほんとロクな人間じゃないし。皆さんの周りにも結構いるでしょ?自分に甘くて、向上心より自尊心が大事みたいな連中。

自分の部下にこんなやつがいると教育がとんでもなく大変だし、上司にいるとお先真っ暗。

一番教育が必要なこの手の連中が、大学では教育に従事しているんだから手の施しようがない。