おねだり!!マスカット

「国家の成長戦略として大学の研究・人材育成基盤の抜本的強化を」
−新成長戦略、科学技術基本計画の策定等に向けた緊急政策提言−

概要

(1) 若手研究者の育成・支援
① 国立大学の人件費削減方針を撤廃し、若手対象の数千人規模のテニュア付教員職の設置を支援
② 給付制奨学金の創設、特別研究員の増など、博士課程学生への経済支援を抜本拡充
③ 複数の研究大学等が連携し、PDを継続的に雇用するシステムの構築を支援
④ 国等が率先しPDを雇用。企業等とのプラットフォームでの教育等を通じ民間雇用を促進

(2)研究者の自由な発想に基づく基礎研究等の推進
① 国立大運営費交付金や私立大学経常費補助等の基盤的経費の拡充
② 科学研究費補助金の新規採択率を現状の20%から30%にまで拡充
③ 「リサーチ・アドミニストレーター」や「二次的創造者」の確立など、研究協力・支援体制の強化
④ 施設の老朽化・狭隘化の改善、先端研究・大型研究を支える施設・設備整備の推進
⑤ 近年価格上昇が深刻な電子ジャーナルの安定的確保に向けた対応の推進

(3)大学の国際競争力の強化
① 新しい成長分野を担う人材を輩出する国際標準の教育力を持った大学院の育成支援
② 国際化拠点整備事業(グローバル30)の着実な推進
③ 世界トップレベル研究拠点(WPI)の拡充や大型研究の推進、若手の海外武者修行の拡大
④ 国費留学生の受け入れ増や、外国人研究者・留学生の生活環境整備

(4)体系的な大学予算システムの確立
① 安定的な教育研究の基盤となる国立大運営費交付金や私立大経常費補助等の確保
② 競争的資金(研究者主導型、政府主導型)を拡充しつつ、大学主導型の資金制度を創設
③ 大学における研究環境の維持・整備にとって不可欠な間接経費の改善・充実
④ 大学に対する国民からの直接支援(寄付)を促進するための税制の充実

(5)明確な投資目標を設けての公的投資の大幅拡充
① 国の研究開発投資の目標をGDP比1%以上に設定し、抜本的に拡充
② 高等教育への公財政支出OECD平均以上にすることを中期的な目標としつつ、当面、新成長戦略
(基本方針)におけるGDP成長率の目標(3%)を上回る予算を毎年増

いや〜、もう笑ってしまいますな。ここまで何の戦略もなく乞X根性を丸出しにした要望書を今の時代公にしてしまうなんて。単純に頭が悪いだけなのだろうか?「これまで何十年もやらずぼったくりを続けてきたんで、世の中をなめきってるんだろうお前たちは?」という感想しか外部の人間は持ちようがないんですけど。こんなことすら理解できないんでしょうか?

まあ、理解していて意図的に行うポジショントークにしても下品すぎるような気はするなあ。ただ金をくれだなんて。安達祐実も「同情するなら金をくれ」と、同情されている自分の弱い立場を理解していたぞ!金を貰う人間が居丈高じゃあ、同情する人すらいなくなるぜ。

挙げ句は、「大学に対する国民からの直接支援(寄付)を促進」って・・・エンドーメント文化が現存するアメリカの真似をしたいんだろうけど、まだ国民にタカリをするつもりなの?オーサム!

既存の組織から提出される「トレードオフ」を含まない夢物語を最近よく見かけるが、この手の意見表明が受け手の反発を促す逆効果しか生み出さないことをなぜ理解できないのだろうか?

端的に言うと、総長さんたちがやっていることは、子供や乞Xのおねだりと同じでしょ?申し訳程度に私たちも業績の公表に努力しますのでとか一文入れつつも、彼らは何も自分たちを変えようとはしない。規模の縮小や給与の適正化などの痛みは勘弁してほしいけど、金はくれ。

「じゃあ、金を出せとおねだりしている当の本人たちは一体何を変えるんだ?」という当たり前の問いに対する答えをあらかじめ交換条件として要望書に含めないなんて、取引きの根本を理解できていないとしか思えない。

組織維持のためにかくも厚顔無恥な要望書を提出してしまう大学総長・塾長さんにもはやかける言葉もない。

大学の内部にいたので良く分かるが、大学は学生とその親を馬鹿な金づるぐらいにしか考えていない。(例外もいるなんて主張は、なんの反論にもなっていないので勘弁を。)子供が大学を卒業しなければまともな職にすら就けないという親の弱みを熟知したうえで、彼らはこれまでモンキービジネスに邁進してきた。交付金助成金の援助を潤沢に受けているがゆえに、厳しい採算効率を問われることもなく中身空っぽの施設を一等地に大量に建設し、さらにはモラトリアム学生やその親から研究者養成という名目で集金を行う詐欺的大学院事業を拡大するなど、そのモンキービジネスぶりは枚挙に暇がない。

残念なことだが、経済のグローバル化は大学にも大きな影響を及ぼす。ガラパゴスに生息する日本企業ですら徐々に日本での大学新卒採用の数を削減せざるを得なくなり、日本の大学が持つほとんど唯一の機能である「受験勉強に勝ち抜いたという潜在能力を示すシグナリングの機能」も無用の長物となるだろう。いや、すでにそうなっている。

平成21年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(平成22年2月1日現在)について@厚生省

大学の就職内定率は80.0%で前年同期を6.3ポイント下回る。男女別にみると、男子は80.1%(前年同期を6.4ポイント下回る)、女子は79.9%(前年同期を6.3ポイント下回る)。

<パナソニック>11年春の大卒新規採用4割減 3月24日21時12分配信 毎日新聞

パナソニックは24日、11年春の大卒の新規採用を前年比約4割減の290人に抑えると発表した。76年春の156人以来、35年ぶりに少ない新卒採用となる。内訳は事務系60人、技術系230人。11年度に欧米やアジアなどで海外採用を前年比で5割近く増やし、過去最高の1100人を採用するなど海外シフトを進めるため、国内の採用を絞り込む。海外を含めた全体の採用は1390人で、前年比1割増となる。

 パナソニックリーマン・ショック後の世界不況の影響を受けた10年春も「将来の人材を確保する」として、国内の新卒採用は前年と同じ500人に据え置いていた。同社は11年春採用について「事業のグローバル化が加速する中、国内採用は厳選する」と説明している。

もうすでに多くの富裕層は子供の教育のために海外へ移住を開始している。いや、子供ですら、少し気のきいた連中なら自分の判断で、日本の大学(院)を経由することなく社会に出ていくだろう。そして、日本の大学に来るのは大学など無視+利用して自分の将来を切り開いていけるごく少数の優秀な人間と、グローバル化に対応できない大多数の若者たちになるだろう。

「最近の学生は馬鹿だ」と言い放つ大学教員が少なからずいるが、あなたの能力や価値に見合った学生が来ていることをお忘れなく。自称専門分野をお勉強して作文を書いているだけで、何かあなたに価値が生まれるなんて幻想を持てる時代はもう過ぎてしまっている。それは、あくまでも右肩上がりの経済成長があって国が教育や研究に対して厳しい目を向けなくても良かった時代の話。残念だけど。

もうすでに国ですら、この資料にあるような議論を始めている。実際、高い入学金と授業料を払って子供を大学へ入学させる親からすれば、今のように誰の役にも立たない自称教養教育を提供するだけの低レベルな大学運営を即刻停止し、少なくともグローバル化に対応できる学生に教育する体制を整えてほしいのだ。

国や国民から金をせびる前に、自分が社会のために役に立っているのか、自分ではなく他の誰かの満足を生み出すことに貢献しているか、そうした当たり前のことを考えてほしい。自分の賢さや知識の多さをショーオフするなんて子供じみた行為を40や50歳のオッサンやオバハンたちが必死にしているのは見苦しいだけで、税金や授業料払っている人間からすると吐き気がするだけなんですよ。ホント。

いい加減、目を覚ましてくださいよ。まあ、覚まさないだろうけど。