ソニー2
家畜化した大学教員の皆様への教訓2
プレステ生みの親、久夛良木氏のお言葉:
今、僕は世の中がリスクをとらない風潮に向かっていることをすごく心配している。産業界に共通してリスクをとらずに、確実に利益をとりにいく風潮があるよね。例えば、かつてのソニーは、失敗を恐れずにどんどん挑戦した。大きな失敗もいろいろとしたけど、いろんな挑戦の中からキラッと光るものが生まれた。挑戦をやめたら、進化は止まるし、未来はつくれない。僕のSCEでの人生は、未来への挑戦の歴史だと思う。リスクを背負って、果敢に挑戦してきたつもり、SCEを離れた後も、そういう僕の生きかたは変わらない。
私が日本の大学に関わっていた時代に知り合った若い人間たちは、ほとんどがどうしようもないほど保守的な連中だった。
保守的じゃあ、しっくりこない。それよりも、「小賢しい」と呼んだ方が良いだろう。(今やロンダだらけの灯台は小賢しい人間の巣窟である。)
海外の研究所で知り合った外国人研究者とは、研究者としても人間としてもレベルが違いすぎる。
レベルの低いところでずっと過ごしているとあらゆるレベルでスケールが小さくなり、気がついた時にはもう手遅れなのだ。
もちろんチャレンジして海外で成功した若手研究者を受け入れる場所が日本には全くないというのも問題だろう。
しかし、それ以前にリスクをとることすらしない人間は、自分自身の進化を止めているだけではなく、業界全体の未来を叩き壊している自覚は持ったほうが良い。
ってなこと言うと、必ず返ってくるお答:
「リスクを取ったところで、大学に職を得ることができないなら意味ないじゃん。それなら、少しくらいは自分を殺して学会に参加したり雑務の手伝いしたり一緒に翻訳したり本書いたりして教授たちとのコネを作り上げたほうが賢くね?」
再び賢人のお言葉:
キャリアのリスク分散というのは、複数のことを同時にやるということではなく、そのときやっていることを、とことんやり遂げることによって、その先の選択肢を広げていくということ。そして選択のときがきたら、とことん考えて、そこから一つを選んで、またとことんやり抜く。それを繰り返す。うまくいかなかったときにまた繰り返せるのは、若いうちだけ。これをやらないヤツは加速度的に老け込むだけ。
http://d.hatena.ne.jp/koichiro516/20080602/p1
若い人がプロとして一人立ちするために何が必要かと聞くと奥山は、「ゼネラリストとしていろんなものに興味を持つこと。そして、自分のキャリアの最初の時期には必ず1つの分野を突き詰め、これ以上行けないというところまで掘り下げる。これ以上掘り込めないなと思ったら、ほかのことを見たくなる。その時期まではまずは待つことだ」と助言する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20080729/166549/?P=2
≪参考文献≫
美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史 (講談社BIZ)
- 作者: 西田宗千佳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/02/22
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