プライド・ビジネス

日本の大学院ビジネスは、いわゆる人間のプライドをくすぐることで成り立っているビジネスの一つだ。

「知的営為に携わることは素晴らしいことですよ」

ナイーブな大学院生や知的なものに憧れを持つ若者が、この命題を反駁することは難しい。

「オレは馬鹿で結構。ケツでも舐めとけ」

という結論にはなりにくい。

「何某という思想家の何某という本を理解できない人間は知的ではない、馬鹿である。」

と言われれば、知に重きを置いている人たちはプライドを傷つけられ、必死に理解しようと努力する。そして、理解できてなくても理解したふりをして上記と全く同じ台詞を別の人に言っちゃったりする;-)

そして、「そんなこと人生において別に大した意味を持たない」という悟りに至るまでには長ーい時間が必要となる。

もちろん大学としては学生たちに簡単に悟られてしまうとビジネスが成り立たなくなるのだが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

最近の「貯蓄から投資へ」というプロパガンダでも、詐欺商法では常套手段であるこのロジックが使われている。

「こんなに儲かるにも関わらず、貯蓄だけして投資しない人は知的ではない、馬鹿ですよ」

なかなかウマイな。見習わねば。勝間さんみたいに尻馬に乗って儲けること考えてる奴、多そうだけど。

周りで投信、個別株やソブリンなんかで大損ブッコいている人たちは、一見してプライド高男くんや高子ちゃんだけではなく、結構平凡なサラリーマンや主婦とかも多い。(通常損した人は「損した」とは言わないので、リサーチ不足かもしれないけど。。。)

プライドをくすぐられると人間って脆いものだ。