毎日jp より

<東京医科大>学位謝礼金、教授33人が現金受領

東京医科大(東京都新宿区)で05〜07年度に医学博士の学位論文審査を担当した現職教授33人が、博士号を取得した大学院生らから謝礼として現金を受け取っていたことが分かった。大学側が4日、明らかにした。論文審査は院生ら1人について3人の教授が担当しているが、院生らは審査後に教授1人につき10万円ずつ計30万円を渡していたという。

大学によると、08年5月に文部科学省内部告発があり、学内で調査委員会を設置。05〜07年度に審査にかかわった教授37人と、博士号を得た大学院生や医局員ら229人に対し無記名でアンケートを実施したところ、教授33人と大学院生ら47人が現金授受を認めた。院生ら1人当たり20万円を受け取っていた教授もいた。授受は審査通過後に行われていたといい、大学は1月、調査結果を文科省に報告した。

報道陣の取材に応じた臼井正彦学長は「現金提供は審査に対する自発的なお礼として行われていたが、学位の公共性に照らし、あしき慣例になっていた。昨年10月以降は懲戒処分の対象にしている」と説明した。臼井学長自身も06年までの15年間で、約50人から10万円程度ずつを謝礼として受け取っていたという。

医学博士の学位取得を巡っては07年、名古屋市立大大学院の元教授が試験内容を漏らした見返りに現金を受け取ったとして収賄容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。横浜市立大でも08年、教授・准教授22人が謝礼金計約578万円を受け取っていたことが判明し、20人が停職などの懲戒処分を受けた。文科省は08年3月、国公私立の約420大学に対し、学位審査の透明性確保などを求める通知を出した。【堀智行】