シノドス・セミナー案内 より

高田里恵子「文系知識人の受難――それはいつから始まったか」

芹沢さんやチキさん、あるいは「思想地図」関連の方々の、深い問題意識に基づいた行動力は、一般「大衆」には届きませんし、知的「大衆」には嫉妬されます(と、とりあえず決め付けておきます)。なぜ、そうなるのか。この日本的な反知性主義の長いながい歴史を、さまざまな具体例を挙げながら見ていきたいと思っています。

文系知識人(と呼ばれる者)が「大衆」から遊離していることが問題になるのではありません。それは西欧近代にもあてはまります。カフェにおける公共圏なぞ、教養ブルジョアという恵まれた者にだけ開かれていた、というより、閉鎖的特権空間だからこそ成立していたのです。

むしろ見ていきたいのは、日本では「大衆」が文系知識人を、自分たちから遠い存在とは思わず、自分たちと同じなのに妙にいばっている者として憎悪していることです。この現象には、近代日本特有の学校制度(そして、かつては徴兵制度)が絡んでいると思われます。このような視点から話を進めていく予定です。

面白そうですね。