安心感と惰性の知

自分が知りたいことだけを知りたい。

メディアで忙しくポジショントークを繰り広げている自称知識人やそのフォローワーたちのほとんどは、この病気に罹っている。彼らは稚拙なままで固定化してしまっている自身の知の枠組みを意識することが非常に少ない。

そのため、お勉強をして知識は増えおしゃべりするネタは増えているにも関わらず、メッセージはいつも同じだ。読み手も自分のプライドを満たし溜飲を下げてくれるような書き手のものだけを読み続ける。

そういうものなのだろう。

読み手の知の枠組みを破壊し、全く違う世界へ導いてしまうような書き手は必要とされていないし、そんな書き手がいるとも想像できなくなっているのかもしれない。本を読んでいてプライドを傷つけられるなんて耐えられないのかもしれない。

自分がずっと勉強してきたことがすべて間違いだったと証明してくれる本に出会えるなんて本当にスリリングで面白いことだと思うけど、そう思う人は少ないらしい。

そういった彼らの行動パターンを長い間観察してきたが、彼らの姿が吉本新喜劇を愛し続けている大阪人の姿といつもタブっていた。

安心感と惰性。

知の吉本新喜劇化。(同義語:知の笑っていいとも化)

でも、僕は新喜劇ずっと見てる大阪人のほうが好きだけど。

少なくとも偉そうにはしてないんで。

追記:

“無理に売るな。
 客に好むものも売るな。
 客のためになるものを売れ”

松下幸之助

松下幸之助は、日本の大学人より遥かに物事の本質を見極めているという話。

当然だよな。